つなげる・つながる 赤米伝統文化交流協定
赤米伝統文化連絡協議会

赤米サミット2022 in 総社

今,未来の子供たちに残したい里・里山
~赤米神事が伝える文化と自然との共生~
1 サミット(1部)「次世代に残していくべき自然環境と郷土」

相川氏)
 皆さんおはようございます。相川七瀬です。今回赤米サミットの進行役をやらせていただきます、どうぞよろしくお願いいたします。
赤米サミットについて少し私から説明をさせていただけたらと思います。
 これまでの赤米サミットはですね、赤米神事をどのように継承し、保存していくべきか、ということを主なテーマといたしまして、2014年から2市1町で意見を出し合いながら行ってまいりました。保存というふうに言いますと、保守的な響きで、そういうふうに受け取られてしまいがちなのですが、私たちは常に継承するという意識の中で、氏子の皆さんを支えていこうと、行政の皆さん、時には地域外の皆様の協力を得ながらこれまで共に活動をしてまいりました。
 祭りというものは、地域の人が神を中心にすごい交流する場であり、その時代、時代で続いていけるように変わっていく、そういう性格を持っているんだというふうに私は考えています。一方で神事というものは、自然を対象に祈念し、厳密に言えば古式からその所作は変えてはならない性格だというふうに考えています。このように混同されがちな神事と祭りというものは、厳密に言えば性格が違うものです。
 しかし、この性格が違う二つの神事と祭りというのは共通点があります。それが必ず人が行うものであるということです。人が存在しなければ神事も祭りも存在しません。
 そしてこの人が存在するということを支えている条件というのは、人が生きていける居住空間という環境がなければいけません。私は常々神事や祭りというものは、人がその土地で生きてきた証であると考えてきました。そしてそれが文化であるというふうに理解してきています。今、私達が目にしているもの、目にできるもの全ては遠い祖先たち、先人たちが頑張って繋いできた命のバトンです。それと同じように、私達が未来を生きる子供たちのために、文化や環境を、それを絶やさないように、次は頑張る番なのではないかというふうに考えています。今年の夏、実に3年ぶりになるんですが、赤米交流会、子供交流会という行事が開催されました。
 種子島で開催されたんですけれども、この交流は2市1町の子供たちが他の地域を訪ねるといった、夏休みを利用したフィールドワークです。
 私も今年は種子島を訪れた総社市の子どもたちと、ゆったり博物館に行ったり、たくさんゲームをしたり、交流をさせていただきました。そのときですね、子どもたちからもらうフィードバックっていうのは本当に希望に満ち溢れているんですね。この子どもたちがこの先大人になって、この自然あふれる故郷で生きていくかどうかはわかりません。でも彼らの意識の中にこの豊かな自然とここにある文化という記憶を残してもらいたいな、という思いで今回のサミットのテーマを「次世代に残していくべき自然環境と郷土」というテーマにさせていただきました。
 今回、内閣府クールジャパンの陳内 裕樹さん、そして環境省 前事務次官の中井 徳太郎さん、そしてNPO法人「共存の森ネットワーク」をはじめ、次世代に日本の豊かな森林文化を受け継ぐ活動をされている渋澤 寿一先生にご登壇をお願いしたのは、これからどういうアプローチで次の世代にこの素晴らしい文化を、そして環境を残していけるのか、どういうふうにやれば今まで以上に活発に活動ができるのか、というのをぜひご指南いただきたいという願いからでした。先生方が関わられている実際の事例などをシェアしていただくことで、2市1町、ぜひ参考にさせていただいて、これからの赤米神事を継承していく活動のヒントにさせていただければと思います。今日は、限られた時間になりますがどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速誰からいきましょうか。陳内さんからどうですか。いいですか。陳内さんにいきなり渡してもいいですか。では陳内さんからできれば10分、思いがこぼれたら15分以内でまとめていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

陳内氏)
 皆様おはようございます。ありがとうございます。
本当に総社にお招きいただいて、また赤米にご縁をいただいてですね、今日お話する話はデジタル変革です。日本政府の一丁目一番地ですね、赤米とデジタル変革、実はものすごい関係がありますよ、というようなお話です。コミュニティデザイナー陳内と申しますが、相川さんの楽曲ですね。僕らのエンドレスドリームのためにという副題をつけさせていただいて、赤米がですね、本当にこれから先の未来にどう紡いでいくかということですね、郷土の誇りと、次世代にということだと思っています。私は内閣府クールジャパン・地域プロデューサーであるとか、大学なんかと関わりがありまして、よく三つ提唱していることがあります。
 サーロインの法則っていうお肉に例えたですね、これ届けることの重要性ということを、3対6対1、作る3、届ける6、分析するができないことはやめましょうと、1を分析できる全ての予算、努力することはですね、先ほどDNA分析の話も前の会議でありましたけど、赤米について。やはりそういう仮説の作り方はサーロインの法則という考え方で進むべきだ。
 あとは自治体の政策アドバイザー、日本中応援をしていまして、北から南までです。あとリカレント教育ですね、相川さんの象徴ですよね、今の大学生の話にあります、大人で学び直しをされて、赤米についての活動もされて、それとデジタルという道具を使って、デジタルはあくまで我々が手に入れた人類の道具ですので、これを活用することでこの活動、赤米の素晴らしい活動をですね、守るというような、守るだけじゃなくて攻めるという活動もできるんじゃないかというふうに思っています。自治体、いろいろ30ぐらいの自治体さんの政策アドバイザーを拝命しております。
 最初、結論ですね、私が今日お話ししたい、皆さんに先にちょっとお話ししたいのは4つです。
コミットメントの重要性といって、コロナ禍が長引いてますよね。困っているピンチの方は多いんですけど、逆にこれ時代のチャンスです。こういう困ってるときに時代の変わり目、あの努力、努力の仕方を工夫するということ、このデジタル変革DXの機能の加速、推進の加速を、皆様、勝利して一人一人勝利して進めることが重要、特に教育と広報だと思っています。
 学校教育でいいますと、1台端末が世界で一番進んでるのは日本いうふうになっています。広報ですね、広く報じる。アナログ型だけじゃなくてデジタル、スマートフォンの中に飛び込んでですね、例えば赤米の。話題作りをして、興味を持つ世界中のファンを増やしていくという活動です。これ進めるというコミットも重要だと思います。
 二つ目はリカレント教育です。
大人の学び直し、子どもさんだけじゃないですよね教育というのは、元気な先輩方も高齢者の方、中小企業の経営者の方、赤米に教えられるという郷土の素晴らしさと、それを再編集する。
 これは、はっと気づく、良いものに気づいてですねそれを気づくだけじゃなくて、次世代であるとか、他の地域に伝えていくということをしない限りは、やはり話題作りできません。
 財源が出来ませんという事だと思います。これは大人がそれぞれの立場に学び直すことが重要だと思います。
3点目はサーロインの法則、3対6対1という、10あれば3、6、1なんですが、これ割と地域の皆様10、0、0になっちゃうんです。イベントをやって終わりとかですね、パンフレット、ポスターを作って終わりとか、予算もそれで終わり、頑張ったことになっちゃうみたいになるんですが、それ3ぐらいがちょうどいいですね。今日のようなサミットの素晴らしいものができた、この後この活動をどういうふうに届けていくか他の地域に、もしくはそれを効果がどうだったのか、ということですよね。これは全ての活動を52週間、1年ありますけど、毎週、毎週、点検をしながら、やり直していけば必ず成功するわけでございます。見える化をしながらですね、3対6対1の1ができない仕事をやめていく、我々の努力をやめていくというような、ちょうどいい按分ではないかと思います。
 4点目は、自分ごとのため、私自身もそうなんですが、デジタルとか変革とか、よく言葉が掛け声になっちゃうんですけど、誰か詳しい人がやるんじゃないんですよ、ということですね。
学び直しをした大人たちそれぞれが自分ごとで、デジタルを使って、例えば赤米の活動をどういうふうに話題作りできれば、具体的に落としていくという、皆さん苦手な方もいらっしゃる、目標を味方にすればいいということ、だと思っています。
 コロナは黒船で来ました、これ当時の公務員の地域の皆様、日本中から集まってくる横浜開墾図ですけど、ピンチですよね、滅ばされてしまうかもしれない170年前の我ら先輩方。
 ただそのピンチをチャンスに変えて日本近代化が図られた、ということだと思います。
 地域の皆さんが立ち上がったということですよね。
1900年のニューヨーク。これ馬車が走っていますよね。目抜き通り。今シャネルがある。当時の世界一の目抜き通りですよね。これがたった10年で変わりますということで。もう馬はなくなりました。みんな車、フォードのP型自動車の大量生産で、テクノロジーが世の中を変えたわけです。
 2005年のこれ、ローマ法王の謁見式、超保守的といわれているカトリックの総本山の姿です。これ8年後に、2013年どう変わったか、証拠写真をお見せします。
 みんなスマホです。ローマ法王の謁見式が、2005年、2013年、我々人類が変わったんですよ、皆さん持っている方が非常に爆発的に売れていますスマートフォンのようなインターネット端末を活用して自然に活用するということが普通のことです。
 これ昨日のですね、まさにコンサート会場でもそうでした、最後ライトを振ってですね、皆さんスマホを使っていらっしゃる。
 これ日本でも起きていまして、2009年の元気な高齢者の方、一般的にはご高齢者の方多いと思います、陛下のお誕生日です。2009年こうでしたが、9年後2018年、コロナの前ですけども、みんなスマートフォンに変わっております。これに気付くだけではなくてですね、やり方変えないといけないと思うんですね。赤米の素晴らしさをどういうふうに守っていくかっていう活動もそうですし、皆さんはそれ以外の地域の素晴らしさを届ける活動が、古すぎることが多すぎませんかということですね。簡単なんです。人間がデジタルを自然に使えるようになったので、お仕事の方も、当たり前にこのスマートフォンの3センチ、5センチの中でどう話題作り、赤米のファンを増やしていく、それを皆さんの努力で頑張るだけでなくて、頑張ったことが伝わっていくようにするという、デジタルを味方にするという考え方、これを上手く進めていけばいいかと。
 2020年は、ニューノーマルの到来ということで、今、ラストチャンスぐらいの、ちょうどいい、ピンチをチャンスに変えるチャンスの時代の到来は、85%の国民がスマホを持つようになってきていて。びっくりなんですが、ご高齢の方が一番インターネット、総務省のデータですが、69歳9割、インターネットつながっています、79歳も令和元年で76%インターネットつながっています。80、90、100歳の方でも57%インタ-ネット人口にもうなっているんです、というようなことが。インターネット、使えない方ももちろん、しっかり寄り添いながらなんですが、使える方の便利、ワクワク、それより現役世代の方100%インターネット使っている、お子様もみなそれで勉強していますよね。ほっとくとこれ総社もそうですし、2050年人口ピラミッドこうなっちゃうんです、70代中心です。お子さん少ないですよね。これをピンチというふうにしないためにはですね、元気な高齢者の方が、いきなりこれを学び直しをすることで興味、関心、どんどん世代をつないでいくということ、ご趣味を増やしていくようなことにも繋がることだと思いますし、お子さん世代にやはりリアルの素晴らしさを伝えることも非常に重要なとき。インターネットが重要。デジタルの変革が重要というのが岸田内閣の一丁目一番地、全省庁、デジタル、掛け声だけじゃなくてですね、0歳から100歳まで誰1人取り残さないように、地方課題の解決のためにデジタル変革をやるというのが、国が決めましたけれども、我々大人が理解をしてですね、デジタル難しいもんじゃないです、簡単なことがあるんです。無料で電話がお孫さんとできるんですよ、みたいなことを含めてですね、分かりやすくどう地域ごとに経営視点のデジタル変革をしていくか、だと思っています。
 真ん中にデジタルがあってですね、教育、観光、防災も、こういうことを構想する必要が地域はあります。これ苦手な方も苦手じゃなくなるように学び直しをしていただくように、皆さんが協力をコミュニティでしていくということだと思いますし、その方が人生が豊かになりますということですね。サーロインの法則、作る3、届ける6、継続1、私提唱しています、結構日本中で引用されることが増えてきました。例えば滋賀県は、全ての予算がサーロインで、三日月知事、デジタル変革をふまえて届けるという視点を意識することで全部、県庁縦割りじゃなくてですね、そういう視点で予算を作りなさいってこと今年度予算で動いています。
 浜松市などはデジタルファーストで寄り添って、次世代を政策を紡いでいくということをサーロインでやるということを政令市浜松は決定をして、予算の作り方はサーロインと7割ぐらいデジタルに、広報するときには、届く一番簡単我々の道具であるデジタルを使いながら、無駄がないように地方と政策を作っていく。このようなこと、サーロインってなんですかってことを、公務員の皆さんのマニュアルを作り、詳しい方を副業型公務員に神戸市は100人ぐらいの方が登用されていますが、皆さん東京、大阪、都市部に働かれている方もですね、地域の皆さんの味方なんですよ。
 住んでない方も関係人口として味方にして、例えば赤米の活動もですね、多様な経験を持った方がそれぞれ少しずつ協力をする、それをインターネットでつないでいくというようなことは世界中の潮流でありますし、ここで始めていけばいいじゃないかと、こういうサミットをきっかけでやっていこうということで決めていく。学校が肝になると私は思うのです。これあの世界で一番DXが進んでいるのは日本、アメリカでも8割ぐらいしかつながってないんです。
 日本は1人1台端末。クラウドを繋がって伝わって先生方も教えてらっしゃる、校長先生も使用されている、総社市もそうですよね。これ授業の中がですね、チョークと黒板でと、私たち大人世代が思っている事柄じゃないことが毎日教室で行われるわけですね。赤米の取り組みをこのサミットの様子もそうですし、教材にしてですね、先生方が日本の先生、他の市とつないでですね、このサミットを随時教室からでも学ぶみたいなことをですね、やっていくことができると思います。学校教育、教室の中でのテーマとして、もしかしたら世界中の日本食、健康に意識が高いような他の海外の学校をつなげていくこともお金0円で、インターネットでつないじゃえばですね。そのようなことが、未来の人作りは人材教育、私の提案は以上でございます。コミットメント、リカレント教育、見える化した体制、こんなことを勧めたいと思います。
相川氏)
 陳内さん、先ほど私に見せてくれたあの、私は2014年から関わらせていただいているんですけれども、グーグルトレンドというリサーチするあれがあるんですけれども、それで赤米ってキーワードを入れると、皆さんがどれだけインターネットで赤米というものを検索したかっていうデータがでるんですね。そのお話をちょっとしていただけませんか。
陳内氏)
分かりました。さっき朝ですね、自分のスマホからやってみたスライドをお見せをします。
 これ2004年から日本において、赤米という2文字が我々が、我々人類がですね日本において漢字で検索した総数です。2004年の1月1日を筆頭に、傾向としてはですね今、3分の4ぐらいになっています。消費者の方が25%逃げちゃったよという。減っちゃっているということが事実としてあります。一方で2011年が半分になっていたのが、ちょうど相川さんの活動ですね、岡山ですごい検索をされているんですが、この活動というのは地域性もあるんですが、8年ぐらい前から25%ぐらい戻ってきているという傾向が見れるかなというのは、もう数字が示す、私は相川さんが、みたいなのは推測、事実かどうかはちょっと掘り下げなきゃいけないんですが、岡山市でそういうことになってるみたいなことは皆さん無料で、誰もが同じ結果を手にすることができるっていうのを大人のリカレント教育みたいなところかと思います。

相川氏)
 このように我々の活動がですね、8年間やってきていて、手応えが少しずつあるっていうのは、活動していて感じることはあるんですけれども、でもそれを数値化するってことなかなかやってこなかったんですね。それで改めて陳内さんに、こういうふうにグーグルトレンドで検索したらこうだったよっていうふうに言われて、そういうふうに見える化、私たちの活動を少しでも見える化していくことで、やっぱり継続していくにはモチベーションを維持していくのがすごく大切なので、そういう形でこのデジタルというものとうまく付き合っていければなというふうに思います。デジタルっていうのはやっぱりスピードが勝負で、ファストじゃないですか。でも私達が今やってる文化とか環境とか神事っていうのはものすごくスローな時間の流れの中で、積み上がってきたものなんですね。だけれど、そこのこのお互いの歩み寄りで一番いいところで発信していくっていうことが、今後の私達も赤米神事、そして日本全国のやっぱり神事っていうものの課題点なのではないかなというふうに思いました。陳内さんありがとうございます。
陳内氏)
 一点だけよろしいですか。
相川氏)
 はい。
陳内氏)
 純米吟醸って4文字、ものすごい盛り上がっているんですよ。同じお米を使った製品ですけどね。体に良い美味しいお酒。これ赤米が駄目ってことじゃなくてですね、やり方によってはですね、純米吟醸にうなぎ上りすることも我々検索するとできると思いますし、もうぜひぜひ見える化しながら一緒に勧めたいと思います。
相川氏)
 はい、ありがとうございます。
それでは次はですね、前環境省事務次官の中井 徳太郎さんにお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

中井氏)
 はい。よろしくお願いします。私もスライドを使いますので、準備していただければ。
 この7月まで、環境省の事務次官をしておりまして、退官いたしました。私の官僚、行政をやっていた時期にまさしく東日本震災が起こり、そしてその福島中心の復興とかを環境省を担いながらやっている、そういう中で、地球の環境危機が進んで、カーボンニュートラル、脱炭素って皆さんも聞いたことがある、そういうふうな話で、SDGsのようなものの旗振りをずっとやっていました。7月に退官いたしまして、実は9月から日本製鉄という会社の顧問ということになっています。産業活動というのがCO2を出す、その約4割は実は鉄の関係から出ているんですけども、そこが本気で2050年に向けてCO2が増えない、そういう産業に変わるんだ、というフルコミが出されました。そうした中で、ありとあらゆることをやらなきゃいけないチャレンジの中で、従来ではないようなお付き合いなんですけども、日本製鉄の顧問ということで一緒に汗を流さしていただくということでございます。今日は地域循環共生圏(ローカルSDGs)と自然環境保全というテーマにしていますけども、言ってみますと、次のスライドお願いします。
 昨日素晴らしい赤米フェスタがありですね、2014年から2市1町で相川さん、頑張ってこの赤米を守ってきて、これがね大きな文脈からいって、経済や社会が変わらざるをえなくてで変わっていてそういうものを、昔から物を保守的になるとしても、とにかく細々でも維持するんだと。そういうですね、世の中っていうのもとんでもない方にいっちゃうんだけど、今続いているものは守ろうというところから、実は私達は今、政策として言っているのはそういう地域に根ざして、祭りや神事との関係性とかもしっかり考えながら私達の生存、生命を支えているというお米であり、そういうものを古来から伝えてきた伝統文化でそういうものが、地域でみんなで紡ぎ合いながら、生命力を高めるんだと。これこそがこの今の気候危機であったり、地球が危ないそういう時期で、皆が目指す方向であると明確に政策として言っているんです。そういう意味でこの2市1町で頑張っているこの赤米の取組、こういうものがいろんな形で発展していく、ポジティブに。そういうことを国も全く同じ方向を向いているってことをまず皆さんに知ってもらいたいという思いで今日お話しします。ここではですね、地域循環共生のお話ししますけども、今社会上、非常に経済もこれから、台風がこれだけきて、異常気象で、大変で、地球上大変なんですけども、変えなきゃいけないということは、皆薄々気づいているわけなんですけど。SDGsという世界の目標があるんですけど、環境省は日本政府として三つの切り口でこのことを、私どこを向かっていけば未来が無事で、みんな明日もちゃんとご飯食べられて、地域で仲良くできるか、こういう、その目指す方向、今はこのままだと危ないっていう状況です。
 それを三つの切り口ということでいいまして一つは、脱炭素社会という切り口、もう一つは、循環経済という切り口、もう一つが分散自然共生という切り口のことを言っています。
 これ何かっていうと、私達生きていくのにエネルギーが必要で、食べ物が要って、水が必要、水回りが、こういうものを現在のテクノロジー、さっきの陳内さんのDX使って、より良くしていこうという方向なんです。今地球上ではですね、残念ながら化石燃料、地下資源、地球が痛むような形で資源を持ってきて、地上に持ち上げて運び、大量に生産し、大量に消費し、大量に捨て、というこういうことで便利になったんですけども、元々の地球生命体としてのシステムに負荷がかかっているんですよ、痛めつけてまで便利になってきた。それを直す方向は、実は脱炭素というのは、エネルギー、誰でも何をやるでもエネルギー要りますよね。これを地球に負荷がかからない形、太陽光であるとか、バイオマス自然エネルギー、自然のメカニズムをうまく使って今までのように地下の蓄積を掘り上げて、燃やして人間でいうと体の肝臓を傷め付けるようにお酒を飲み続ける、こういう感じじゃなくてですね、自然のメカニズムをうまく使っていく、これが脱酸素、カーボンニュートラル、これ2050年までにやりましょう。日本国、世界の潮流の中でコミットしてしまった。
 もう一つはですね、プラスチックの問題で、大変今問題なんですけども。人間は無限の地球にいるみたいな感じがあったんですね。大量に出てきていたゴミを大量に海に捨てても、見えなくなって分かんない。ところが、2050年にはプラスチックが魚の量より多くなってしまうという、言われるぐらい深刻な状況です。実は無限の世界じゃなくて、有限で全て当たり前の話なんですけど、私たちは皆繋がっていました。繋がっているという発想でものをとらえると、なんかゴミとかいう発想も実はなくなるんですね。全て繋がっている相見互いの世界。言ってみると、ゴミで捨ててどっか見えない風に世界でしようでなくて繋がっているものを有効活用する、資源になる、そういう発想。そういうもので物が繋がっているということを、経済の仕組みとか社会の仕組みで実感できるように変えようというのが、サーキュライエコノミー循環経済。もう一つはですね、自然との向き合い方で、これは空間の使い方になるんですけども、あまりにも自然には森があり、山があり、川があり、海があるという中にも、ちょっと度外視して、都市化を図りですね。山を切ったり、森林を切ったり、そして人工にビル建てすぎたり、やっぱりしているんです。そうするとその自然生態系と人間が対立してしまうような構造を作ってしまっているんです。
 そこを、自然生態系の本来のメカニズムに向かうように空間ですね、空間の使い方、生命と調和する。そういう発想に、やはりこれ実は分散してく方法です。都市に一極集中して自然の地形を考えないで、もう便利だと思って頭だけで設計図を作ってやるんではなくて、元々の自然風土そういうものを考えてやっていく、こういう方法はまさしくコロナでリスクが3密を避けよう、そういう方向とも合うような方向、このですねエネルギーが何でも使えるエネルギーをうまく地域で使いながら負荷を掛けない。ものが繋がっているっていう実感できるような設計をする、それと空間の使い方、生物のいろんな多様性の中で調和している。
 この三つさえ押さえればですね、この三つ実は一つの、私達の生存している存在のあり方をエネルギーの断面で見るか、物が繋がっているっていうものの断面で見るか、空間にどういうふうにこうギュッギュッと集まってないというか、空間の存在、その三つのことをですね捉えれば、SDGsのかなりの部分がいける、というふうに思っていまして。それを言って、これができたらば地域循環共生圏だという。次のスライドお願いします。
 森、里、川、海って真ん中に、右の図にありますけれども、今申しました、こっからエネルギー、水も、食料も観光資源、私達が日々地域文化のことも、私たちの体自体が自然からできている、そういう発想でその、ここで農山漁村の都市に今別れていますけども、今はどんどんどんどん農山漁村が人がいなくなり、都市に集中しビルを建て、気づいてみたら海外から地球に痛みつけるような形で化石燃料を持ってきてこの空間を作りましたけど、ちょっとこのネジを逆に回そうっていうことなんですね。地域に再生エネルギーや観光資源や食料や、そういうものがあるでしょうという発想で、それぞれが地域の資源を見直し、そこに眼差しを持って地産地消、自立分散という発想でものを発信していく。こういうことを、ボトムアップ型ですね、では次のスライドをお願いします。
 まさしく生命系、自分の体に例えて、地球のこと、地域のことを考える。人間の体が37兆個の細胞からできていまして、1個1個、最初1個しかなかった細胞が分裂して体を作ってますよね。しかもその細胞は半年あると骨の細胞も代謝して生まれ変わる。
 そういう生きている仕組みとして、一つの体がある地球もそういう私達は地球の細胞であり、そういうものの発想で物を捉えたときに、1個1個の細胞にDNAがあって、これはお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、ひいじいさん、ひいばあさん、たどってたどっておさるさんの時期もあった、魚の時期もあった、海のときの微生物のときもあった。どこから見ても途絶えたことのない繋がりの中に私達がいる、そういうものの1個1個の重みが一つ一つの細胞に力がある、そういう発想でこの地域の私達に力がある、さっき言った地域資源、地産地消、1回ないから買ってこうとかいう原理を、もう駄目だとかじゃなくてもう1回その本来の生命パワーを、伝統や文化やご先祖様のありがたみを感じながら引き出そうという発想なんです。
これは地域循環共生圏の国が今政策としてやっているのは、もうどっか駄目なところは切り捨てて一個に集中してとかいう発想じゃなくて。地域のボトムアップで自分の元気取り戻そうよっていうのを本気でやればこういう、それはSDGsということなんですね。次お願いします。
 今申しましたことを分かりやすく、森、里、川、海という、循環系ですね、山に典型的な水の循環、雨や雪が降り川や地下水となって海に戻り、海から蒸発して、この循環の中にですね、全て私達の存在、微生物、畑、野生鳥獣、そういうものがあり、ここの仕組みが、これが先ほど言った循環の、みな繋がっている相見互いの発想、この循環がうまくいくようにという考え方で、地域、私達の地域どうかな、私達の会社の企業の活動どうかな、日本はどういうふうに向かっているかなっていうことを、これ2050年までにですね、この循環がちゃんとできているっていうふうにいけると、カーボンニュートラルになって健康になる。今地球は病んでいると、私達、政府として言っています。気候危機、地球は病気です。それを30年で健康体に戻す。人間の体の治療と一緒です。慢性病と一緒ですから、食事療法、運動、適切に細胞の末端まで毛細血管に血が流れて、体が元気になるような、もっとポテンシャルを引き出して、そういう感じでみんな元気になるということを目指しているんですね、次お願いします。
 これは日本がいって、これ大きく世界に打ち出していきますけども、世界中が今気づこうとしています。ちょっと難しい英語でネイチャーベストソリューション、NBSというふうに言われています。これはG7の総理、首脳のコミュニケーション、コミュニケという最後、あの、今ちょっとソ連の関係大変ですけども、昨年のコミュニケにも、こういうNBSという考え方があります。これは何かというと、結局考えてみても、地球って自然生態系もそういう規模のシステムです。そこからエネルギーや災害対応やありとあらゆる問題の解決を、このシステムがうまく回るということに着目して、人間が生きていけるようにするしかないですね。自然に根ざしていろんな解決を図る、地球を健康にする。これ世界中で今こういう概念が広がってきています。まさしく日本が森、里、川、海ということを提唱してやっているもの、こういうこと。したがって世界中が実はいろいろ技術競争とかいろんなあるんですけど、最後は人が自然と調和し、そういう心の持ち方、精神性、そういう伝統も含まれた日本がそういう中で手業、すごく器用で細かい事もできて、自然のいろんな微妙なところ、美味しい食もできて、そいうのは実は世界は欲しがっているいう発想を私達たちはしています。はたしてそこの気づきをちょっと足りない所がありまして、そういうものを世界に広げる。次お願いします。
 これを具体化する話として、今年生物多様性の国際条約というのが妥結される予定でして、そこで脱炭素、カーボンニュートラルの方は2050年に向かって減らそうという、世界で今こういう、していこうとしているんですけども、自然の話は新しい大きなテーマとして、サーティバイサーティ、これもちょっともうあと8年しかない、2030年までに、陸や海が、さっき言っているのはちゃんと、森、里、海、川の循環が保たれているというところを、30%を確保しましょう。これ世界コミット。日本もすでにコミットしています。これ実はやるのに、その自然の循環がちゃんとしているってのは、人間いなくなればいいのか、そういう話じゃないわけですよ。
 もちろん国立公園のように、本当に保全する一部の自然の部位、そういうところをちょっと広げるというのはあるんですけど、3年、30年までに30%、今陸では20%、日本の場合、海では14%。全然そこは足りません。そういうことも含めて、今回ですね新しく人が関わる里山、里地、企業の企業林とかそういうのも含めて認定制度、OECⅯという認定制度を作って、人が関わっているけど、ちゃんとした自然なんだ、そこでCO2を吸収してくれたり、そこで美味しい地産地消の有機無農薬の農作物ができたり、そういう効果を図って、それで30%やりましょうということを今企画しておりまして、この制度がもうすぐ動いてまいります。最後のスライドになりますけど、こういう話を具体的にやるにしても、結局経済の売り上げが少なかったら意味ないです、お金でしょうって話なんですよね。お金の流れが実は大きく変わってきているのが今の状況です。脱炭素、カーボンニュートラルということについてはもう、そういうことを企業がちゃんと取り組まないと、融資しません、投資がいきませんという、このESG金融ということがありまして、これがもう5年ですね。先ほど言いました人間の体に経済、社会、地域を例えまして、それは血流自体はお金です。お金の回り方が真っ当になると、健康に行くように回ってくれと、今までそのお金の回り方が体を痛めつける方にお金を回していたのですけども、これからは体が健康になる方にお金を回そうという流れにすでになってきています。
一つ、カーボンニュートラル、脱炭素が明確になっている。その次に追っかけてくるのは実はこの自然資本のお話。TCFGという気候変動の方は進んで、これに加えてTNFDというですね、世界中でお金の流れを、さっき言った自然が守られている認定地域とか、ああいうことをやっている企業の価値を高めるように融資しよう。そういうふうに今なろうとしている。世界はそういう今、地球が異常気象を大きくて大変だという危機感の中、大きく変わろうとしている。日本も今、そういう中で方向としてはもう明確に、むしろ日本の昔から持っている自然との自然観、そういうものの技術、そういうもので世界を救うというのが実は本流中の本流なんでありまして。ぜひ2014年から頑張っていただいている赤米サミットで2市1町が頑張っている、こういうことの意味をポジティブに捉えていただいて、さらに発展して、こういうことを一緒にできればなと思っております。以上です。
相川氏)
 中井さんありがとうございました。確かにそうですね、私たちの体っていうのも全部自然のものでできるっていうのは当たり前なんですけれども、そう言われてやっぱりハッとさせられる気づきがあるなあというふうに思うんですね。そしてこの森、川、里、海ですね。これはほんとに日本はもう豊かにあるんですよね、こんなに多分水源に恵まれて、森とそして海があって、そこに里があってっていう、そのこんなに恵まれた環境の国は、たぶんどこを探してもないんだと私は思うんですね。そういう環境があるからこそ、人がそこに住む事ができて、そこで社会ができて、社会を束ねるためにお祭りをしようか、生きていくために神様を祭ろうか、というふうに発展してきたんだと思うんですね。ほんとにその循環というものが自然とやっぱり共生して生きてくるっていうことが、日本の民族性なんだと思うんです。なので、赤米神事を通して私達が赤米神事だけでなくて、私たちの生活っていうものが、もっともっと自然体に戻っていくっていうことを、今頑張るべきなのかなっていうふうに感じさせられました。ありがとうございます。
 次はですね渋澤 寿一先生にバトンを渡そうと思うんですが、私はですね渋澤先生の教え子でして、國學院大學で渋澤先生の授業をとらせていただいています。まさに今中井さんがおっしゃってくれたような世界観、地球に負荷がかからないエネルギー、バイオマスなど、そういうものを使って自然と共生していくっていうことをとても実践されていると思いますので、どうぞ先生、よろしくお願いいたします。

渋澤氏)
 渋澤です。おはようございます。
今ご紹介いただいたように、私、國學院で、偶然私のやっている授業を相川さんが取られたという形で今日ここにいるんですが。普段は県北の真庭でもう1997年からですから、かれこれもう25年ぐらいになるんでしょうか。里山資本主義と言われている地域の木材資源を利用して、エネルギーを循環させていこうという活動をずっとやってきました。今ではエネルギー会社の社長やったりとか、あるいはあの文化振興財団の理事長をやったりとか、どっちかっていうと、それをどう地域文化に落としていこうかということがメインになっています。それが普段の仕事なんですけど、今日言われたのは先ほど言った國學院の授業からのご縁ということなんですが、あの國學院で、もう20年近くですね大学生達を相手にしているんですよ。私は環境の授業なもんですから、必ず学生さんたちに、自分は自然の一部だと思いますか。それとも自然と自分とは別のものですか。という質問するんです。國學院って、どちらかというと民俗学とそれから神道ですとか、そういうある意味で言うと日本の自然だとか、風習だとか、そういうことに興味を持たれた学生さんたちが多いもんですから、この20年ぐらいがほとんどですね。それ聞くとですね、大体95%から98%ぐらいの学生さんたちが、自分は自然の一部ですって手を挙げられいてたんです。ところがその変化がですね、この2、3年、特にこのコロナになってオンライン授業になってからですね、がらっと変わってきて、今そういう質問をするとね、大体4割ぐらいの学生が、自分と自然とは別物です。私は自然がなくても生きていくことができます。ということにはっきりと言うようになったんです。そのぐらいやっぱりね、今の時代、自然と遠くなってしまっています。
 私が今日お話するのはここにある、いただいたお題は次世代とつないでいく自然環境と郷土なんですけど、それをどんな人間がつなぐか、というそれをどうやっていったら私達が関わって育てて、共に生きていったらいいか、その辺の話をちょっとしようかなと思っています。
 この陳内さんがとってもデジタルなお話をされて、中井さんが地球規模の話をされて、私はとてもアナログな話になってしまってしまうけど、それも聞き書き甲子園という活動をしています。この総社市からも何人も学生が参加していただいております。日本中の要するに海や山や川は、要するに自然の中で生きてきたおじいちゃん、おばあちゃんたちの人生の聞き書きを高校生たちが、1人が1人ずつ、毎年100人ずつ。ですから20年続けると2000人のおじいちゃん、おばあちゃんの記録が残って、そこから高校生が卒業していきました。
 その一風景なんですが、山形のまたぎのおじいちゃんのとこに福島の女の子がに聞きに行っているときです。このまたぎのおじいちゃん、小学校しか出てないんです。で、またぎさんですから狩りをしてる人だと思って聞きに行くんですが、狩りをするのは大体5月の連休明けの1週間から10日ぐらい。で、何でそういう時期かというと、その時期が熊が穴から出てくる時期で、残雪の上を歩いて狩りがきる時期がその時期です。ところがおじいちゃんは鉄砲を持って山に入るのは。それでぱたっとやめてしまう。なぜかというと山菜の時期になるからです。山菜も重要な食料です。その山菜の時期とほぼ同じぐらいにして、田んぼの準備とそれから畑、夏野菜の定植があって、あとはもう雑草との戦いです。そして稲刈りが済んで、かやが済んで、そして蕎麦を刈って、そして雪がきます。あとは雪の中で炭焼やそういう生活。つまりおじいちゃんは別にマタギという職業をやっているわけではなくて、またぎという生き方をやっているんだという事に高校生は気付くわけです。高校生はですね、学校の先生に今一生懸命勉強しろと、良い大学に入らないと良い就職先がないから。就職しないと一生安定した暮らしができないからといってずーっと教えられます。だから勉強しなさい。ところがおじいちゃんは小学校しか出てない。だけど山さえあれば、自分は何の不安もないって言って胸を張る。いったいそのどっちの言う事が本当なのかっていうことを、高校生達ほとんど今までの2000人が2000人あるがらっと違う国になったなっていう時期がはっきりしてきます。それがちょうどこの前の前の東京オリンピックその前後の5年間。新幹線が走るようになって、東名や名神の高速道路ができて、街中を自家用車というものが走るようになり、年配の方がご存知の三種の神器と言われたテレビ、冷蔵庫、洗濯機という家電が入るようになり。ちょうどその時期、田舎ではテーラーという小型の耕運機が入り、牛や馬がいなくなり、山ではチェーンソーや仮払い機が入ってきた次期。あの時代から日本人の暮らしというのは、それは地方も都市もがらっと変わった。で、この今の私達のこの右側のピンクの暮らし、それは高校生たちの暮らしなんですが、これからどれだけ続くのか、これ先ほど言った中井先生のまあ、まさにその今の地球の現状なわけです。その辺はですね今の学生たちは、ものすごく勉強しています。小学校の時から環境教育やりますから。ですからこれが続かないということも知っている。じいちゃんたちの話を聞くと、まさに生きるということと働くということが同じ。働くとお金を得るためじゃなくて、自分が生きていくために自然を相手にしてその中で生きてきた。そういう日本という国だったということです。で、今のこの私達が普通と思っているこの価値観は、まだ60年、まあ70年から60年ぐらいしかまだ日本の歴史の中では続いてない価値観だということに、まあ高校生たちは気づくわけです。例えばこの60年、何の変化があったか、エコロジカル・フットプリント地球の足形っていうんですが。どのぐらい地球上で、要するに生物が要するに増殖して、例えば木が大きくなり、お米がなり、あるいは野菜が採れ、あるいは魚が卵を産み、動物が子供を産み、バクテリアが分裂して、要するに1年間の自然の成長量を人間という生き物はどのぐらい使っているかです。今から60年前1961年OPECができた年なんですが、その時は半分人間が使っていました。あとの半分をほかの動物や、あるいは昆虫やバクテリアも使っていた。それが今大体1.8から1.9です。これ、地球は1個しかありません。地球今1.8個分から1.9個分、そのぐらいの成長量を使っているということです。ですから、この60年間の大きな変化は、私達人類が今までは自然の利息、その半分をもらって暮らしをしていたのが、利息だけでは足りなくなって、元金に手をつけるようになったのは、この60年間の大きな暮らしです。なおかつもっと悲しいことに、世界中の76億の人たちが今の日本人、皆さんと同じ暮らしをすると、地球3個分の成長量が必要です。つまり、私達は先進国だと胸を張っています。OEC中何番目だとか言っていますが、それはその経済や科学の面では先進国ですけど、地球ということで本当に私達の真似をみんながしてしまったら、この地球はもう明日にはもたなくなるという話です。それをどうやってソフトランディングさせていこうかというのが、実はその先ほど中井さんがずっとお話になっていた、地球環境の問題ということです。私達は先進国ではなくて私達の今の暮らしを、やっぱり根本から見直さないといけない時期に来ているということです。豊かになった日本は本当に幸せになったのでしょうか。私達はあのGDPを大きくするために生まれてきたわけではないんです。幸せになるために生まれて来たんです。一体幸せとは何なのかということをそろそろ考える時期にきているのかなと、いうふうに思っています。こんなこと書きました。これは私の本当に私見です。どうもね、70年近く生きていると時間というのは二つの時間があるなと、わかります。直進する時間と循環する時間です。で、今学校で教えていること、それから今の社会の中、このデジタルもそれかもしれませんが、科学技術ですとか経済ですとか、そういうものっていうのは後戻りしません。どんどん日進月歩、進歩していきます。ですからそれが追いつかないと、自分がこの世の中についていけない。今の大学生も小学生もみんなそう思って必死勉強していきます。何とかそれについていきたい。ところが、私達、例えば赤米もそうですが、今年収穫が終わったら、お米を干します。そして来年また種をまきます。で、必ず秋が来て冬が来ても必ず春は来ます。私達が農業をやっていると、どんなに暗い夜でも必ず朝はきます。つまり、地球というのは循環をして、その循環の中に他の生き物は全部それに合わせて、地球の循環に合わせて、自分たちの知性、生きるということをやっている。それに寄り添っていったもの、それがまさにここにあるように、自然だとか、江戸と書きました。先ほど中井さんがおっしゃった、要するにこれからの今のSDGsのいろんな問題がありましたよね、江戸時代って、完全にほぼこのSDGSを完璧にやっています。自然共生型社会でした。なぜかといえばですね、原発も火力発電所もなかったからです。その1年間でどれだけ植物が成長するか。あるいは、バクテリア、植物性プランクトンがですね、海で繁殖してそれをどれぐらい小魚がそれを固定してくれるか。それエネルギーしか使えなかったわけです。では江戸時代みんな歯を食いしばっていたかというと、そんなことありません。みんなその中で文化も作ってきたし、幸せも作ってきた。そして何よりもそれを循環という仕組みに世の中を変えていけば、それはずっと要するに、自然の恵みが得られるんだいうことを一番知っていたのが江戸という時代です。で、私達はずっと進歩してきました。本当に江戸時代は遅れた時代なんでしょうかということです。今は多分私達が求められるのは、この循環と直進、この二つの時間をどのバランスを取っていくか。どのバランスをとれば地球に負荷がかからずに、次の世代に譲れるかということを私達は問われているんだというふうに思っています。聞き書き甲子園に参加した学生の、ちょっと1人だけ、1人です。話をします。新潟県村上市の高根という集落に入った2人がいます。こんな集落です。もう本当にですね、朝日連峰の山の中です。あの集落が小さく見えます。周りは山、そしてその向こう側にある白い雪をかぶっているのは飯豊連峰です。こんなとこに2人の学生が入っていきました。まさにこれ先ほどの環境省の絵をやわらかく書くとこんな感じになるのかなと思います。この地域はもう山の、ブナ林の恵。それから出てくる水は栄養、それから作られる棚田、そしてそれが三面川にいき、鮭がそこに上り、そして鮭が海の栄養をもって川を上ってきてそこで死に、山の中に要するに海の栄養をもたらした。まさにですね、この循環の社会の中にいます。つまり、今学校教育を受けてきて、なんとなくその直進する時間だけじゃないな、ということを思い出した若者たちがとても増えてきて。そしてこの、こういうところで自分が暮らしを作りたいと思う若者たちです。ついに2人結婚しました。この花嫁と後ろを歩いている花婿なんですが、この奥さんがこんなこと言っています。
 学生時代に通っていた、彼女は学生時代から聞き書き甲子園の後、この集落に通っていた、だんだん集落の人は減っていくだろうし、空き家も増えていくことは分かっている。それなのにどうしてここに暮らす人たちは危機感を持たないんだろうと思っていたんです。でも自分が暮らしてみると、とっても安心できて、とても快適に暮らせるので、その危機感がだんだん薄れていくんですよ。この人々の温かさとか自然を生かしながら生きていく暮らし方とか、そういうものをこれから子供たちとか孫とか、世代を超えて伝えていけるような存在に、自分自身もそうですし、この地域もそうなっていけたら良いなと思っています。これ多分赤米をやられている各地域の方々の思いも全く同じなんだというふうに思っています。そんなことでこんな地域にどうやって入っていき、もう1回その地域内の循環型社会を作りながら、そこで暮らしていく若者を育てられるかということを考えるようになりました。実はですね、今過疎、過疎といっても、地域に例えば真庭流とですね、毎年大体20組ぐらいの若者が定着をしていきます。ある地域では自然増になってきました。そこに入ってくる最初の心得として、この地元学地元。地元に学んで地域を地元の人と歩んで知って、そして聞き書きをしてその心を知っていって、それから地域コミュニティですとか、食とかの自治エネルギー、それから地域経済、衣食、これはもう今まさにDXを使いながらですね、コンピュータシミュレーションの中で自分たちでこれからの先のデザインをしていって、地域の人たちと考えていくこと。そんな塾をやっています。実は相川さんのご子息もこの塾の今塾生で一生懸命学んでいるところです。
 そんなことみていくとですね、この60年間私達はGDPを向上させるために働いていました。これしょうがないんです。私達の親たちは皆、戦後の焼け野原から日本を作ってきました。
 ですから、とにかく生産性、経済性ということが一番でした。で、それが経済的に豊かになることを幸せと信じてきました。その代わり、負の面もあります。ここにあるように専業主婦は労働ではないとみなされました。育児も介護も重要な労働とは言えないと思われてきましたし、年収が高い方が幸せで、どの会社に勤めているかが社会的ステータスでした。大企業の方が中小企業より大切で社会的価値が大きいと思っていましたし、全てを費用対効果、まさにコストパフォーマンスで表そうとした。つまり、費用対効果というのは、お金で計れない価値が存在しないという、そういう考えです。つまり全てをお金に換算して幸せと豊かさを判断してきたのが、この60年です。これが地方に入ってくる若者たちはこんなふうに思っていません。生きる意味を問うために働くんだと思っています。地に足がついてコミュニティの中で必要とされて、自然の中でその恵みを得ながら必要最低限のものを持つ暮らし。もう今Z世代の人たちはですね、物の豊かさやお金の豊かさは全然求めていません。もう十分だって言います。
 そんなことより自分が社会の中で必要とされる、それの方がよっぽど重要。そのためには多くの人と、それから世代のつながり。これはまさにそのインターネットのおかげで世界中の同じ世代あるいは世界中の違う世代と繋がることができる。そのために繋がるために重要なのはお金ではなくて、共感ですとか、一緒に汗を流すということ。そして共感できなくても一緒にそこで生きていく。まさに地方自治です。彼らの一番の重要なことは、DoではなくてBeです。要するに会社の社長となるというものは、人生目標でもありません。
 何とかをするということ、要するにDOではなくて、どう生きるかです。先ほどのまたぎのおじいちゃん、またぎという職業をしているんではなくて、またぎという生き方をしているということです。そうやって自然の中で、あるいは人の中で生きていく生き方を探している。そういう若い世代が多くなりました。多分この世代がですね、赤米を次の世代に繋がって、繋げてくれるそんな世代だというふうに思っています。当然彼らは皆スマホを持っています。
 みんな世界中の同じ考えを持つ人とつながっています。だけど生きるのはローカルです。自然です。要するに自然というアナログの中で、どうやってデジタルを使いながら、自分の幸せ、生きる意味を問うているか。というようなことをやっている若者はとても多くなりました。
 最後にこれは高根の写真です。棚田がたくさん見えます。棚田が見えますけど人は一人も写っていません。例えばこの棚田のあぜを確保するため、除草剤は使いません。
 全部棚田のあぜというのは刈ってやらないと、要するに雑草の根っこがこう、からみ付くことによってこの棚田のあぜは押さえられています。ですから皆これは草を人の手によって刈らなきゃいけない。人が1人も写っていませんけど、この向こう側にものすごいたくさんの人が見えてきます。宮本常一さんっていう民俗学者がこんなこと言っています。自然は寂しいけれど、人の手が関わると温かくなる。その温かなものを求めて歩いてみよう。実はこの宮本さん、屋代島の出身の方なんですが、そのご子息のちはるさんと私は海外で、自然活動、マングローブの植林をずっとやっていました。夜になって星を見ながら、彼がよく言っていたのは、おやじはすごいって。普通の人は自然は美しい。けれど人の手が加わると汚くなるってみんな言う。だけど親父は、自然は寂しくて人の手が加わると温かくなるというふうに自然を見ていた。
 この自然を温かなものだというふうに見れる感覚、それを育てることが、多分その赤米をつなぐ人、あるいは自然、郷土をつなぐ人。そういう若者になるんだ。私はそういう人間を少しでも多く育てたいなと、今思って活動しているところです。長くなりましたけれど私からのお話は以上です。

相川氏)
 渋澤先生どうもありがとうございます。この豊かさと、そして今ものすごいスピードですよね、情報も。私も昭和生まれなので、紙媒体、そして、例えば音楽の情報を得る時も、ラジオだったりとか、そういうもので情報を得ていたものが、今は個人の掌の中で展開されて、しかもそれが世界中に回ってく、すごいスピードなんですよ。良いことも悪いことも。でも、そのスピードと、こういう豊かさみたいなものとを引き換えにしたものって、ものすごい潜在的にあるっていうことに気づかされますよね。やっぱり私たちが今、私は今赤米神事を守るという活動を総社市の皆さん、対馬市の皆さん、そして南種子の皆さんとやらさせていただいているんですけれども、やっぱり何か、環境というのは、本当にこうスローな時間の積み重ねで積み上がってきたもので、相反するものになるんですよね。そのスローな時間の中で積み上げてきたものを人の記憶だったりとか、営みだったり、自然環境だったりとか、もっと言えば人と人の繋がりですよね。そういったものっていうのが、やっぱり何かこう豊かさとスピードに引き換えにされてしまって、そこを何か見えなくされてしまったっていうのが今の現状、やっぱりどこの世界でもこの問題ってあると思うんです。特にその神事っていうものに関していうと、やっぱりそのもうお米っていうのは当たり前に私達食べているので、お米をありがたく思わないっていうふうにだんだんなってきて、それで小麦食とかもね、たくさん増えてきましたので、やっぱりそのなんていうんですか食に対しての何かこう、私達が豊かになった象徴なんでしょうけれども、何かそこに感謝をするっていう気持ちが少しずつ薄れてくることによって、お祭りも少しずつ、少しずつそれが退化していくものなんですよね。なので社会っていうのはやっぱり連動しているんだっていうのが、改めて渋澤先生のお話を聞いていても実感しますし、中井さんの話、そしてデジタルという視点でお話いただいた陳内さんのお話からも、私達はこの変わってく社会を変えることはできないけど、でもその生き方自体も変えていく必要なくて、生き方っていうのはあくまでもやっぱりアナログなんだっていうのを先生今おっしゃいましたけれども、そのアナログとデジタルっていうものを組み合わせながら、これから伝承していく文化、環境っていうのを考えていければいいのかなっていうふうに思いました。
 赤米神事というものはですね、本当に私個人的なことで本当に恐縮なんですけれども、私は赤米神事に2011年に対馬市で出会いました。これはですね、対馬市で行われていた日韓友好のライブに日本側のゲストで招かれていったときに、私たまたま出会ったんですね。
 それで赤米っていう看板があって、これは赤い米なのかと思って、もう私全然無知で知らなかったんですね。で、赤いお米なんてあるんだ、赤米神田、神様の田んぼなんだ、で見てみたら、少しだけ赤い穂が出ていたんです。それで私すごく感動して、こんなものがこの山の中にあるなんてっていう感動から今私は8年後ここに座っているという。赤米によってここにほんとうに導かれてきて、そして赤米に出会わなかったら、あんな陳内さんがずっと言ってくださっていたリカデントですね、大人の学び直しっていう話をさっきおっしゃっていましたけれども、國學院大學に入ることはなかったんです。なので、何かこう、私は赤米によって本当にたくさんの人に出会い、氏子さんや今総社市のみなさん来てくださっていますけれども、皆さんに出会い、皆さんの前でこういうふうにお話しさせていただいて、私自身本当に、私一番勉強させていただいているんです。この今私が皆さんから得ているパワーっていうものを、やっぱり還元したいっていうのがもう一番のやっぱり、あの思いなんですね。なので、赤米神事をどういうふうに一日でも未来に繋いでいくかっていうのは、過疎化もあって、少子高齢化も本当に頭が痛いんですけれども、でも、繋いでいけるように何かお手伝いができたかなっていうふうに思っています。私達の活動というのは2024年に10年を迎えます。この10年というところに向かって、もう一度2市1町でどういう形で未来の人たちに、そして今地域を支えてくださっている方、あるいは地域外で赤米に興味を持ってくださっている方にアプローチしていけるかどうかっていうのを、またこのサミットから学んで、10年目に向かって走っていきたいです。そして2014年を迎えたら、その先の10年というものをまた見据えながら、私も生命尽きる限り赤米と一緒に伴走していきたいなというふうに思っています。今日、もしも会場の中にいらしたら、というふうに思うんですが、2014年から赤米の田植えを新本でやらせていただいているんですが、新本小学校の毎年児童5年生と毎年田植えをしているんですけれども、最初に植えた頃のお子さんというのが、もう19歳、18歳、19歳になられているんですよね。で、最初の頃のお子さんが、今日ちょっとサミットを聞きに来てくださっているっていう話だったんですけれども、もういなくなっちゃったかな。
 いらっしゃいますか。いないですか。いないかな。私は、お子さんたちと一緒に、田植え、稲刈り、そして神事というものを一緒にやらせていただいているんですけれども、彼らが20歳になった時どういうふうに赤米神事を考えてくれるのかな、ということをまたいつか聞かせていただければいいなっていうふうに思います。長い時間になりましたが、先生方本当にどうも貴重な時間をありがとうございました。
相川氏)
 せっかく時間が少しだけ余っているので、南種子、対馬市の市長さん、町長さん一言ずついかがでしょうか、どうでしょうか。

小園氏)
 先生方、貴重なお話をありがとうございました。
 この後のパネルディスカッションで、私どももまた赤米を未来に繋ぐためにというお話をさせていただく機会があるのでございますけれども、昨日は3年ぶりに総社で、赤米フェスタが行われ、赤米を起点とした活動がしっかりと再開できたことがまずは喜んでいるところでございます。
先生方の話の中で、脱炭素の問題をはじめとする、色々な貴重なご意見をいただきましたけれども、私どもの南種子町は、種子島にあり、まさに島という一つの完結した自然環境の中にありますから、先生方のおっしゃるように環境という視点で解決策をさぐっていくことは大変重要であると思っております。先日の台風14号では長時間の停電となった上、携帯電話も繋がらなくなったりで安否確認ができないなど、今後の課題もまた見えてきたところでありまして、エネルギーの地産地消など、解決せねばならぬ問題が山積みだと再認識したところでございます。
赤米を未来の子供たちに繋げていくためには、赤米のことだけを考えてもなかなかうまくいかないのでは、と考えております。地域社会のもつ課題の背景には、色々な問題が潜んでおり、しかも、それぞれが循環し、複雑に関わっています。特に,人口減少の問題であったり、そういった根幹の課題を含めて解決することで、子供たちの未来に繋がるまちづくり、島づくりができていくのかなと私は考えております。今日の先生方のお話を参考にさせていただいて、また今後もご指導、アドバイスをいただきながら、一生懸命、この赤米を含めた課題への取り組みを一緒にやっていきたいと思っております。本日はどうもありがとうございました。
相川氏)
 ありがとうございました。

比田勝氏)
 どうも先生方、今日は大変貴重なお話をありがとうございました。
 私、対馬市長の比田勝でございます。
 対馬市は今SDGs未来都市の選定を受けまして、この持続可能な島づくりを目指して一生懸命取り組んでいるところでございます。
 そういう中で、特に今対馬市民が困っておりますのが、獣害、被害が昨年度、イノシシを約8300頭、鹿を1万1000数百頭も捕獲しております。
 対馬の人口は約2万8000人まで減っておりますけども、シカの生息数は推定で4万頭ということで、人間よりも鹿の方が増えているような時代でございます。しかしながら、これをどうにかして適正な頭数にまで持っていかなければ、逆に人間の方が、本当に柵の中で暮らさなければならないような時代になりますので、このことについても、持続可能な島づくり、そして共存できる島づくりを目指して、本当に今取り組んでいっているところでございます。
 そういう中で今対馬の赤米の令和2年度の田植え、そして稲刈りを最後に止まっております。と申しますのも、この赤米保存会の、代表者の方が、体調を悪くされまして、赤米の方の作付けをすることができなくなってきたということで、市といたしましても何とかしたい、そしてまたボランティアの人たちもやりたいということでお話はあるんですけど、対馬の赤米は、この赤米自体が御神体になっておりますので、勝手に他の人がなかなかそれを作るわけにはいかん。言うようなことで、今後どのようにして存続させていくのかということを、今協議しているところでございます。ただ今日も総社、南種子そして対馬の2市1町でこの連携を密にしながら、この赤米の文化を継承していこうということで確認をしております。今日は3人の先生から貴重なお話をしていただきました。これをまた参考にして、持続可能な島づくりを目指してまいりたいと思っております。どうもありがとうございました。
相川氏)
 どうもありがとうございました。ほんとにどうもありがとうございました。次世代に残していくべき自然環境と郷土というテーマで、今回サミット2022in総社を開催させていただきました。この度はどうもありがとうございました。

2 サミット(2部) 「未来につなげるために」

片岡氏)
 はい皆さんこんにちは。総社市長の片岡聡一です。今日は、どうですかみなさん。中井前環境事務次官、事務次官さんがねえ、総社によくね、来ていただいたし。
 それから渋澤先生、今ホームグラウンドが真庭になっているはずなんですけど、この渋澤先生のビックネームが真庭じゃなく総社に、よろしくお願いします。
 陳内先生はね、我々が最も苦手とするDX、そこの総社の専従プロデューサーになっていただいております、最強3人のメンバー。それから、私達の盟友であります比田勝対馬市長と南種子町長。それから、わたしどもの戦友であります相川七瀬さん、ともにやってまいりました、まいりたいと思います。私が進めますけどね、目途としてね、11時50分まで、で最大伸びても12時まで、みたいな感じで、テーマはこの赤米をどうやって伝えていこうと、繋げていこうよということ、これなんですよ。我々これずっとやってきた。ちょっとね、今存亡の危機にあるんで、赤米の伝承が。これやっぱり乗り越えていかないといけない。どうやって繋げていくかが一つ。
そして、もう一つはね、先のセッションであったと思うんですけれども、やっぱりポジティブに捉える。環境や未来の中で赤米がどう役割っていくのか、どういう意義があるか。何を再認識していかなければならないのか。ということをミックスしてね、新しい赤米の伝承に繋げていこうと。そういうことをみんなで論じ合いたい思います。
 最初ね、繋げていくことについて、こっちサイドでまず、やっていきたいと思いますが、ちょっといろんな多くの方々の意見を聞きたいんで、だいたい発言、ちょい短めでよろしくお願いしたいと思います。
まずですね、さっきのセッションの終わり頃にちょっと喋り過ぎてますけれども、このセッションのために残しておかないとっていうふうに思ったんですけど、ちょっと喋りすぎていた対馬市長にですね、今の赤米伝承、対馬の現状についてお話いただきたい。

比田勝氏)
 はい、対馬市長の比田勝ございます。今、片岡市長が申し上げましたように、私この壇上でのことを全く考えておりませんで、ついついいい喋りすぎてしまいました。
 それで改めて皆様に申し上げることはないんですけど、ただ先ほども申しましたように、対馬の赤米は赤米そのものが御神体になっています。本来、頭仲間の中で、代々その当番が変わってまいりましたけども、今現在はその頭仲間も1名だけになっております。対馬の赤米の神事関係は、田植えから年間10を超えるいろんな行事がございます。特に今有名なのが、赤米を刈り取りまして、それを赤米の藁で俵にしまして、それを頭受の家の座敷天井裏に吊るす行事があります。その頭受が、本来別の家に変わるときは、夜中に行われておりましたけども、現在、頭仲間が1名になっておりますので、一旦外に出て、また元の家に戻ってくるというようなこと続けていました。そういうことで、今その存亡の危機にございますけども、なんとかして、この赤米の文化は継承をしていただければならない、いうことで、皆様のお知恵をお借りしながら頑張ってまいりたいと思っております。
片岡氏)
 はいどうぞわかりました。
 ちょっと苦戦をされてるみたいな感じがありますけど、あと南種子町長、8月の中旬終わり頃だったですかね。新本小学校の子供たちとご父兄の方々、それから私と相川さん含めて、南種子にお邪魔しましたけれども、その節はもう大変お世話になりまして、ありがとうございました。
 今僕らも目の当たりにしてきましたけど、南種子町長から今の種子島の様子を教えてください。

小園氏)
 皆さんこんにちは。種子島宇宙センターのある南種子町の町長の小園でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
昨日そして今日と、一緒に赤米を学び、活動してきたわけでございますが、私どもの町の赤米は、宝満神社のお田植え祭り保存会という団体がございまして、しっかりと伝承されております。これは、保存会の組織を、昔のように宮司さんや神社の総代さんなどの一部の方々だけで担うのではなく、ある時から公民館長さんなどの地域の方々も一緒になってやるような方向に変わっておりまして、さらに現在は地元の茎南小学校のPTAも子ども達も一緒になってですね、お田植えをしながら、大切に繋げていこうとされている、そうしたことが伝承につながっているのだと思っております。赤米の伝承地である茎永地区も過疎や高齢化は進んでいますが、なんとか現状としてはうまく後継者の方々も育ちつつある状況でありまして、宮司の役職も宮司の息子さんが、しっかり後継していきたいということで、決断をされているようでありますから、当面は繋げられていくのかなと思います。さて、今年の4月3日ですけれども、赤米のお田植え祭がございました。3年ぶりに子供たちが田んぼの中に入るお田植をしたところでございますけれども、私もおじゃまをさせていただきました。私どもの町では、宇宙留学生という、全国各地から毎年50名ほどの子供たちが1年間山村留学に来ておりまして、赤米の地元、茎南小学校にも宇宙留学生がおります。今年は久しぶりにその留学生も加わったお田植祭りができて、本当に子供たちが生き生きとしながら、赤米の苗を御田植歌にあわせて植えておりました。お父さん、お母さんたちも、本当に楽しみにしておりましたから、こういう活動が今年からまた再開できたことは、非常に良かったなと感慨深く思いました。第1部で、3名の先生方から貴重なお話がありましたが、私もこの赤米だけを対象とした活動だけで、赤米伝承の課題の全てを解決できるというようには、思っておりません。やはり南種子町内だけではなくて、町外、島外、県外いろんな方にこの赤米の地域作りにご助言、ご参加いただき、そして、赤米のことを皆さんにしっかりとお伝えをしていく、情報発信をしていくというところが一番大事ではないかなと思っております。また、南種子の子供たちも毎年この赤米交流に参加し、総社の子供たち、そして対馬の子供たちと交流をする中で非常に成長をしていくとおもいますし、楽しみにもしておりますから、今後も一緒になってしっかり進めていく必要があると思います。最後に、私たちの町は、人口減少対策として宇宙留学制度をやっているわけでありますけども、宇宙留学生だけでなく、移住定住をされる皆さんは、こうした赤米の取り組みをはじめとする、それぞれの地元の特色ある学校教育・地域文化活動に参加される中で高い満足度をお持ちくださって、そのまま次の年以降も島に残られたりもしています。そして、島に移住された方々が、赤米の伝承に協力していくというわけで、赤米だけに焦点をしぼるのではなくて、全てが繋がっているという発想と、すそ野をしっかりと広げていくことが大切なんじゃないかな、と思っていますので、本日いろいろご意見をいただきながら、また更に更にこれを進められるように努力をしていきたいと思います。現状としてはそのような状況でございます。
片岡氏)
 はい、ありがとうございます。
 小園町長は,ほんとやり手なんでね、これからニューリーダーとして、赤米の事業を引っ張っていただきたいなと思っているんです。問題はですねやはり、総社もですね、新庄と本庄の両国司神社の氏子さん、総代さん、ちゃんとしっかり守ってくださっていて、新本小学校の子どもたちもずっと一緒に、稲刈り、田植えをやってきた。今年も相川さんが3年ぶりでしたかね、田植えに来てくれて、やってまいりました。総社は新本の皆さんのおかげで繋ぎとめていけると思っております。これは私も大いに確信と自信を持っております。
これまで総社市と対馬、そして種子島とこの2市1町の連携で赤米の事業を続けてまいりましたが、ここで皆さん、やっぱり対馬さんが、後継者がいなくなってきているということで、続けていけるか、いけないかっていうところに差し掛かっています。そこでこれまでのように私は、物すごいハードルの高い神事をやられていてですね、それが故に続けていけないのであれば、他の総社市と南種子そして相川さん、などの合意の上でですね、ちょっと対馬さんのハードルを下げていいですよと。とにかく田植えがあって、刈り取りがあって、種を存続できていければ、それは我々のこの赤米の事業の中で認めていくべきだ、というふうに思っています。
今日のサミットで、それをみんなの合意事項にしたいなと思っているんですけど、その件について相川さんどうですか。

相川氏)
 はい、私が最初に対馬に関わらせていただいたときに、もう既に頭受と言われる、お祭りも実際に行う方は1名でした。そして宮司さん、対馬は本当に独特なお祭りの体系で、種子島と総社とは全然違うんですね。お祭りっていうのが二人体制で主にリードされるっていうことで、二人揃わないと祭りができないんです。で、宮司さんと氏子さんというのがセットで必ず行われるものだったんですが、宮司さんが数年前にお亡くなりになって、そして神事ができない、宮司さんの唱えている祝詞をテープで流しながら何とか神事を繋いできたっていうこともありまして、一生懸命やられた最後の氏子さんが、今ご病気で全くちょっと立ち上がることができないぐらいのことになっていますので、実質ほんとに今、対馬の赤米というのは耐えているんですね、赤米神事というのは。それで市長なんかもおっしゃっていますけれども、とてもルールが厳しいので、私も入ったことが実は神田にはありません。神田の周りで何枚か赤米を育てるんですけれども、そこには私は入ったことがあるんですけど、決して神田には入れません。
 それぐらいすごく厳しいルールの中で、何百年と守ってきたっていうことがあるので、なかなかそこに作付けすればいいじゃないかとかっていう問題ではないっていうのが、やっぱりこの守ってこられた方、伝承されてきた方の思いとして、まだ今対馬にそれが生きているということなので、その気持ちを大事にしながら、でも種を守っていく、さっき片岡さんからもおっしゃられましたけれども、やっぱりその種を守っていくことをしなければ、もう1回じゃあ赤米神事を復元しようってなったときに、赤米がないっていうことになってしまう。それを絶対避けなければいけないということで、今対馬市では作付けはできないんですが、あの赤米神田の籾井をいただいて、豆酘小学校で子供たちがバケツ稲ということで稲を育ててくれています。
 なのでこれでね、稲をつないでいくっていうことが、私達が今、対馬でできる最大の赤米神事を守っていく活動だというふうに思っていますので、その辺りを皆さんで足並みを揃えていければいいのではないか、というふうに思います。
片岡氏)
 そうですね、皆さんね、対馬さんに対して、対馬さんが今までどおりやっていたことをできなくなったときに、対馬さんが離脱する、みたいなことにはならないように。ちょっとハードルを下げて、種の存続についてキープできているということで、2市1町の繋がり合いをキープしていきたいと思いますが、皆さんそういう形でよろしいですか。よかったら拍手を。
(拍手あり)
 ではそういう認識のもとに進めてまいりましょう。それでまた対馬さん、後継者を育てていって、新しい対馬の形ができていけばいいんじゃないかと。ちょっと対馬市長から一言。
比田勝氏)
 はい、皆さんご理解いただきましてありがとうございました。
 今ですね相川七瀬さんからもお話がありましたように、この赤米の種の存続ということは、本当にどうにかして続けていかなければならないというようなことで、豆酘の小学校の方でバケツで赤米を育てております。もう穂がですね、赤くなっていたようでありました。
 そういうことで、今後もですね、何とかしてこの文化を継承していけるように努力して参りたいと思います。
片岡氏)
 はい、ありがとうございます。
 それで先ほどのこの会の前に行われた赤米伝統文化連絡協議会でですね、ちょっと新しい試みをやってみようじゃないかということで、赤米のDNA鑑定をやりませんか、ということで合意に至りました。
 DNA鑑定というのはそれぞれの総社の赤米、種子島の赤米、対馬の赤米のオリジン。一体どこから発生して、どういうDNAを持っているのか、ということを調べてみようじゃないか。という議論をします。その発案者である相川さんからその辺の考えについてちょっとお願いします。
相川氏)
 はい、今赤米、特に対馬の赤米です。対馬の赤米が今もう絶えている、絶えようとしているという段階に来ていて、私達が神田に入ることもできない、私達が神事を代わることができないという状況なので、ここを何とか繋いでいくためにどうしたらいいのかっていうのを考えたところ、今、今でしかできないことは何かって考えると、その神田の権利を持っている氏子さん、今病に倒れていらっしゃいますけれども、その方に赤米のDNAを取るのはどうだろうか。それを取っておくことで、アーカイブを残しておくことで、この先にまた赤米神事を復活させることができるだろうと。データをとにかく取らなければいけないというふうに思って、そのお話を丁寧にこの1年半かけてさせていただきました。そして理解をしてくださって、もう赤米を子供たちに委ねるということと、赤米のDNAをよしじゃあで調べてみよう、そして種子島、総社の皆さんも同じ思いでいてくださるんであれば、三つの種のDNAを調べることで、本当にそれらがどこから来たのか、そしてそれがどういう経路でっていうふうなことも、今は分かるということだったので、そういうことを明らかにしていくことで、私達もさらにこの赤米をどういうふうに未来につないでいくか、守っていくかっていうふうに還元してこれるんじゃないかなというふうに思って、提案をさせていただきました。
片岡氏)
 この鑑定はどういう結果が出るかによって、結構その後の展開が変わっていきやしないかっていう、一番その不安があります。例えば総社のDNAと南種子のDNAは全く違っていた。同じ赤米でありながら。それから、対馬と南種子も違っていたとか、いろいろな鑑定の結果が出ようかと思うんですが、その鑑定にもめげずですよ、お互いが結束力を持って、強めていくっていうことが大事。やっぱり出所っていうのが分かった方がそりゃいいに決まっている、というポジティブな考え方でいこうと思っています。その辺対馬市長どうですか。
比田勝氏)
 はい。先ほどからお話が出ておりますように、この対馬の赤米も本当存亡の危機に瀕しているというようなことで、この赤米のDNA研究、はっきりさせることで、また新たなことに結びつけることができるのではないか。
 赤米文化を継承させるための元気をいただけることができるんじゃないかということを期待し、ぜひお願いします。
片岡氏)
 小園町長お願いします。
小園氏)
 ただいま対馬の市長さんからもありましたとおり、DNAにより赤米のルーツをはっきりさせていくということがやはり重要なことであると思います。我々はこれまでも、広報・PRをしっかりやってきているわけでありますけれども、さらに、DNAなどの新たな取り組みも皆さんにお知らせをするなど、3市町における赤米のことをまたいろんな形でご紹介ができるかな、というふうに思っております。こうした伝統文化の交流を3市町でやっているというのは、いろんな方々から本当に珍しい、素晴らしい取り組みだと言っていただいております。私たちは、さらにさらに赤米を掘り下げて、ご紹介できるかなと思っておりますので、今後も一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
片岡氏)
 はい、ありがとうございます。これが前半戦の終わりなんですけども、2市1町の強い結びつきっていうのはさらに強めていきましょう。今は対馬さんが、確かに苦戦している。後継者の問題でっていうのがあるかもしれませんが、それはがっちり守って、ハードルを下げてでも一緒にやっていきましょう。それからDNA鑑定、飛び込んでいきましょうと。で、ポジティブに捉えていこうと。いうことをやっていきたいと思っています。そして子どももね、子ども交流でさらに赤米を語り継いでいく。新しい命というのを育てていこうということで、2市1町スクラムを組んでね、相川さんを中心に頑張っていこうというのが前半の結論です。
 そしてこのシンポジウム、後半にこれから入ってまいりたいと思いますが、今度は向かって左サイドの先生方にアドバイスをいただきながら。中井前事務次官の里山のお話を多分されたと思うんですね。で、我々自治体はどうしてもですね、国策、国の政策と連動していきます。で、連動していくのが、国が先だったり中央が先だったりするんですけれども、今回中井次官によるリーダーシップ、国の政策が圧倒的に強く、我々には降りてくるということになります。世界観でいうと、僕は一番わかりやすいのはカーボンニュートラルだと思っていますけれども。我々はこうやって地方を守りながら赤米を伝承していく。そしてSDGsなどの大きな枠の精神を持ってやるべきだということなんですが、そういう観点から、我々がその赤米と共存共栄しながら、自然と共存共栄しながら、何に気をつけて、赤米の事業をどういう方向に向けていったらいいんだということを的確にアドバイスいただければと思います。中井前事務次官。

中井氏)
 はい、ありがとうございます。
 本当にこの赤米サミットの2市1町の取り組み、すごいことですよね、この対馬の危機の状況をつまびらかにしながらも、結束してね、地域の力でみんなで助けてやっていこうと。で、今片岡市長からお話しいただきまして、私先ほどの一部の方でお話させていただいたように、今ちょっと対馬危機だし、大変だっていうのも分かるんですけど、この赤米をテコに地域に向き合い、ご先祖様に向き合い、神様に向き合い、自然に向き合い、ということで脈々と続けてきたものを、本当にさらに未来の子供に繋いで、繋げて発展させていくと。この発想は今、先ほど私一部でお話させていただいた、1人1人の細胞のね、生命の、生命パワー、命のよみがえり、命の力、そういうものが、みんなでお互いに認め合って頑張って、ボトムアップ、草の根からね、脈々と力を蓄えていく。これ今国の政策の方向なんですよ。地域循環共生圏という概念で、地産地消でエネルギーを作る。災害対応でいろんなインフラも作る。食も健康で安全なものを地域で回し、観光資源としても、森、里、川の恵みをいただき、そこにうまくデジタル絡めて。明らかに今、はっきり言ってサバイバル。地球全体の状況の中で、食料、エネルギー、水回り、これをうまく技術使って生きていくという、この方法を国で言っているのは、まあみんな持っている力で頑張って身の回りのものから繋ぎ合わせましょう。このヒントは、ご先祖様から脈々と続いてきている。その象徴がこの今日のお話の中で、赤米神事だと思うし、そういう意味で全くなんていうのかな、苦しい中にもう自分らが変わっちゃうんだけどそれに竿さして、それに逆行するものとして守っていくんだっていうことではなくて、むしろこの総社から、また種子島さんから、また対馬から未来を作るんだと言うポジティブなものとして、子供たちに共感してもらう、そういうことだと思うんですね。そういう意味で環境省、そういうボトムアップ型の世界観、カーボンニュートラル、循環、サーキュラー、自然と共生って言っていますから、そこはぜひいろいろ今後も政策的にも連携させていただければというふうに思います。本当に素晴らしい取り組みであって、今日本当に感動しました。具体的に大変、対馬も大変なんだろうけど、そこをなんとかハードル下げたようなことをしながら、いうことで熱意が伝わってまいりましたし、それで神事という大変難しい世界もあるっていうことなんですけど、いい意味での生命のよみがえり的な、祭りというものをですね、現代版にぜひ子供や未来につながる形で盛り上げる。これが地域循環共生圏森、里、川、海そのものだと。そういう意味で応援したいと思います。
片岡氏)
 ありがとうございます。
 中井さんが言うことは国が言うことで、中井さんが言うことは全て本当なんですよ。ありがとうございます。いくつかのキーワードがあって、食と水と緑とか、いろんなその自然環境を繋ぎ合わせていく、ということで。繋ぎ合わせていくっていうのは、その象徴たるは、赤米の神事だっていうのは、もう実感としてよくわかります。ですから我々が自信を持って更にそれを続けていけるっていうことだと思います。渋沢先生、真庭で学校を開いたり、地域、土地勘、この岡山に対しておありに十分なられると思います。今までの議論を聞いておられて、我々の進む方向性についてご示唆いただければと思います。

渋澤氏)
 ご示唆なんてとんでもない話なんですけどね。ずっと今日聞いていて、一番最初に印象に残ったのが、相川さんがね、祭りと神事は違うんですって話を、すぐに最初に話をされて。そのとおりだなあと思っていたんですよ。なんで神事たるかっていうのは、やっぱりそれはさっき中井さんおっしゃった、37兆個の細胞がね、大体1ヶ月から2ヶ月ぐらいで全て置き換わる。つまり、昨日と私の私は違うということです。その何を置き換えるかというと、食べ物に置き換わるわけです。日本人が日本人のDNAを調べると、いろんな北の方からも来ているし、それからあの半島系、それから大陸系、それから南西諸島からもずっと渡ってきている。多分、その人たちが食べてきたものの根本が赤米であったり、あるいはその米である。そことずっと体を置き換えて作ってきた、まさに、赤米を作るだけではなくて、赤米を食べることによって神と一体となるという。
 その神事がずっとこう繋がってきたんだと思います。そのただ、神事がありがたいからといって繋げるだけじゃみんな駄目で、先祖はですね、それをどうやって繋げてくか、長く繋げていくかって、時間スパンで考えたときにできたのが祭りという概念だと思います。祭りって理屈で言っているわけではなくて、その中で一緒に、昨日の話じゃないですけど、歌を歌い、あるいは歌を聴く、音楽の旋律に乗り、そして一緒に踊り、そしていろんなものを目にしっていうのを、いろんな人たち、それからいろんな世代の人たちが、まさに祭ろうことによって作り上げてきたことだと思います。その意味では、次世代という用語も入っているし、それから音楽という用語も入っていて、この昨日のフェスティバルがとっても素晴らしいなと思った経験をしていたんです。これはもうブラッシュアップして、ブラッシュアップをしていければ、必ず赤米というのは繋がっていくし、あとは先ほどDNAの話が出ましたけど、そこにどうストーリーを作っていくかということで、やっぱり人はストーリーで記憶をしていきますので、その祭りとストーリーというものをどうやって繋げていくかというような、それがまさに地球の循環系、あるいは生命というもののそもそもっていうものを表しているのかなと思うのであります。それからあの、最後にあの中井さんの話では出なかったんですけど、実は私たち37兆の細胞を持っているんですが、私達の体の中に、皆さんの体に流れています。大体40兆個ぐらいの細菌が同居しています。つまりよそ者が同居している。人間のDNAとは違うDNAを持った生き物が皆さんの体の中にいる。それによって皆さんは消化することができますし、神経系ですとか、免疫系、順調につかさどられている。つまり私達の体の中の宇宙というのは、それぐらい多様だということです。その多様なもののバランスによって私達ができる。それがまさに一番身近な環境問題というのは自分たちの体ですから、それと同じことを考えれば、その祭りの中にも、ぜひよそ者の要素、多様性の要素です、そのものを入れていただきたいと思っていますし、それはまさにこのDX、世界の多様性要素。その流れの中に飛び込んでいくことも可能なんだろうというような私は夢を持っています。
片岡氏)
 ありがとうございます。体内宇宙ですね。体内宇宙っていうのはやっぱり、よくひも解いて考えれば、食から始まっていて、そのオリジンが赤米だったりするわけですから。やはり我々ももっと自信を持ってね、この神、神事、そして祭りに発展してですね、大事に守っていきたいと思っております。陳内先生。DXから赤米を、我々の連合体をどうしていきたいですか。

陣内氏)
 ありがとうございます。デジタルとか、変革は手段ですので、本質ではないです。赤米を守ること、繋ぐ事、それで皆さん幸せになる、ということが本質だと思っています。ただ、デジタルを使わないと多分守れないし、攻められないというようなことですということを、一旦整理をされて進まれるといいかなというふうに感じています。中井先生がおっしゃっていた、ポジティブに進めるっていうようなこと、私も共感をしてですね、これもなんかこう、守る守るだけで言うとなんかこう、だんだん縮小でそろそろ伝統が途切れるみたいなことが課題だという認識と思うのですが、視点を変えればですね、この赤米の脈々と取り次がれていることのファンをどう増やしていくか。守っていくことと、サッカーに例えると、攻める、フォワードという機能を分けながらそういう文化を進めるみたいなことを、デジタルは攻めに特に有効です。ファンを作るということだと思っています。相川さんが今日、まさにですね関係人口として対馬がきっかけに、8年前にこの赤米を知ってここまで紡いでこられたというのは、究極のよそ者の方なんですね。赤米の魅力に取りつかれたですね、むしろ学び直しをされたと先ほどおっしゃっていた。一人いらっしゃるということは氷山の一角で、今コロナでピンチはチャンスとさっき申し上げましたけれど、同じ事柄の方が多分1万人ぐらいいるんじゃないかというふうな仮説を立てて、相川さんに続くようなことを共感する、よそ者をいかに活かせるかだと思っています。今回のサミットもそのきっかけで、YouTube生配信をしていることを知っている方が世界中にいるということですね、私デジタル道具として捉えたときに、その道具の使い方、のび太くんは頭いいんですね、ドラえもんとのび太くん、これのび太は私賢いと思っております。いつもジャイアンにいじめられた課題が明確です。ドラえもんもどんな道具出したらいいかということを、実はのび太君はしっかり伝えているということがらをデジタルに例えると、攻めですね、ファン作り、赤米ファン作りということ、守りたいという人は担い手が地域にいらっしゃらなければ、日本中に、世界中に、赤米に共感する相川さんに続く方見つけを、3センチ5センチのスマホの画面の中でいかに作っていけるか。担い手も作って、さらにファンを拡大する寄付金、これクラウドファンディングですね、ふるさと納税の仕組みはもうこの各市町村の持っている特権ですので、その返礼品のあり方の開発をよそ者がどんどん、こうキャッチコピーを作った写真の貼り換え方、10倍にしていく。
 それを基金にしてということで、税金に頼らないで、または国の補助金に頼らないで、もしくは最後は赤米に関わることがらで、ファンの方がまさに相川七瀬さんのファンの方が、脈々と応援をされているような取り組みですね。デジタルな道具です。ただそのスマートフォンの中で、攻めをするというような部会的な活動を進められるといいなって感じました。以上です。
片岡氏)
 はい、ありがとうございます。攻めるっていうこと。関係人口を増やしていく。これ大事なことですね。税金に頼らないっていうことですよね。ありがとうございます。まさしくこれ続けていくためにその部分が大事なことなんです。ここまでお三方のご意見をお聞きしました。皆様方から向かって左側のお三方、この赤米の伝承行事をポジティブに捉えて、未来に繋げていきなさいというご示唆。で、この向かって右側の我々が現場、地元で宮司さんや氏子さんとともに伝承をしていく最先端にいる人間たちなんですけれども、その我々がこのお三方の考えを聞いた上で、さらに夢や希望を持って進めていきたいと思いますが、対馬市長このお三方のご意見を聞いていかがでございましたか。
比田勝氏)
 はい。特に私印象に残りましたのが、まず陳内さんのDXは道具だ、攻めの道具だというようなことが印象に残りました。それとまた、渋澤先生のお話に、このDNAはあくまでこのストーリーを作るための、これも一つの道具みたいな、というようなご意見がございました。私も本当その通りだなと感じ、これに向かって取り組んでまいりたいと思っております。どうも大変ありがとうございました。
片岡氏)
 はい、ありがとうございます。小園町長はいかがでしょうか。
小園氏)
先生方からの、もっとポジティブに進めていこうというご提案は、私もまさにその通りだなと思っておりますので、これからも地域の方と、そういう考え方でもって引き続き進まないといかんなというふうに思っております。私は今日のような、人と人との出会いというものが一番大事だと思っておりまして、総社市、そして対馬の皆さんと一緒にこのようにやれるようになった最初のきっかけを相川さんにいただいたわけですから、これはもうしっかり大事にしていきたいというふうに思っております。私たちの町は、様々な取組をしていますけれども、9月の議会では、ゼロカーボンシティの宣言もいたしました。そして有機農業の取り組みも国のみどりの食料システム戦略、これに基づいたものを早急に進めており、鹿児島有機生産組合と連携し常駐職員も置いていただいて、今進めております。赤米をこういうものとも何とか絡めながら、何かできないかなというようなことも考えております。そして赤米のことだけでなく、自分の町のいろいろ困っている点、課題などの情報を全て発信することによって、色々な企業の方々や有識者の皆様からご提案をいただきますので、そこでまた色々な考え方が整理できていくのではないか、というふうに思いますので、今後も様々な方々のご意見をいただきながら地域一体、そして3市町一体となって取り組んでまいりたいと思います。
片岡氏)
 はい、ありがとうございました。最後に相川さんにまとめてもらいたいなとは思っているんですが、せっかく今日は中井前事務次官がお越しで、我々自治体の長もいるんで、皆さん一つ、カーボンニュートラルって一体なんだ、ということについて若干4、5分お話したいと思うんです。
 水島コンビナートがね、鉄を作るときに二酸化炭素をいっぱい出しますよね。で、出した二酸化炭素を総社市全体の山々の木々で吸い込むことができて、プラスマイナス0にしなさいよ、できっこないでしょう。できっこない。だから隣の市や町と連携しながらやらないといけないよ、という話なんです。そこで重要になってくるのが、先ほど小園町長からたまたまカーボンニュートラルという話が出ましたけども。皆さんマングローブってあるじゃないですか。あれって普通の木の炭素吸収力が4倍。じゃあマングローブの林を作ったら、4倍の面積の山が増えたよということだから、我々も頭使って考えなければいけないんですが、今日は実はね、中井前事務次官、森林組合の方をお招きしているんです。で、森林伐採、林を伐採して綺麗にしておくと、炭素吸収量はものすごく上がっていきます。そういう努力を我々もしなければいけないんだよっていうのがね、今なんですけどね。だからそれを赤米の精神や連携を基軸として、できていくと思っています。
中井前事務次官どうですか。
中井氏)
 そうです。本当に鉄作るとき、すごいCO2出てしまって、それを技術で何とかしようということになるんですけど、そりゃ森林や海はね、あそこも含めて吸収するっていうことを、トータルでやっぱり、世界のシステムですから、システムとして今偏っている、CO2が増えちゃう状況を、総力戦でみんなの知恵でっていうそのときに地域が非常に大事なんですよね。その赤米というようなことに根ざして、本当に健全で安心できる地域作ってきた。そこの精神、スピリットで、また林業と連携してもらうとか、様々な再生エネルギーの地産地消の小水力であったり、バイオマスであったり、そういうものをちょっと使ってやろうとか、そういう話と、神事そのものというより、赤米をテコにした発展系のポジティブな祭りのあり方っていうのは、連携するだけです。そのいい意味でその総力戦と言いましたけども、うまく祭りという仕立てで、そこの祭りが何をこう、自然の恵みを感謝し、そういう精神性を共有しながら、すごく大企業のお偉いさんやもう引退された方や学生さんや地元の中小企業の皆さんや学生さん、そういうのもみんなが思いを寄せて同じアクションを取れる、っていうのが祭りなんですよ。無礼講というか、その祭りの空間の、昨日のフェスタもほんと素晴らしかって、いい形になってきたからあったんですけども、そういう現代版で、みんな立場を超えてこの祭りというものを共有することで、みんなの課題を共有して、解決するっていう方向をそれぞれ頑張るんだというね、肌合わせ、それは細胞が感動するっちゅうかね。肌でこう触れ、触れた感覚で共有すると、人間って間違いなくいい方向にいけるので、そういう何か建前で触らない世界でかけあっていてもしょうがなくて、祭りっていうのは本当に、神輿担いだり、稲刈ったり、いろんなことして同じ体験をするっていうことが、立場を超えて共同体験、ここの意味ってのは最近すごくあると思います。ライフスタイルが変わってくってことが大事なんです。そのテクは、祭りをうまく使う、作るっていう現代版でそう思います。

片岡氏)
 ありがとうございました。いやあお話ありがとうございました。我々もね、環境問題というものを他人事みたいな感じに捉えやすいんですが。赤米の神事が実はその気づきの着火点になっているっていうのが今日のテーマだったんですが。小園町長のところのカーボンニュートラル、我々も勉強したいと思いますので、教えてやってください。
 最後にですね、相川さん、皆さん方に、皆様方に向かって左側の3人は相川さんの人脈です。
 右側は、相川さんが焚きつけた人脈です。で、この両者を繋ぎとめてくれたのは相川さんです。
 つなぎとめるということをやってこられた方。まさしく赤米の原点でもありますので。
でまとめた上で、両者の融合がどうだったかというお話に加えて、最後サミット宣言の採択をお願いしたいと思います。

相川氏)
 何をお話したらいいのか、本当にたくさんの今日は素晴らしいお話を先生方どうもありがとうございました。そして、2市1町の市長さん、町長さん本当に対馬市からも来ていただき、南種子からも来ていただき、また総社市の市民の皆さんにもこうやって赤米サミットを聞いていただけたということは、一つの私達の成果としても目に見えて本当に良かったなっていうふうにみんなで思っています。本当にありがとうございます。私、今回ちょっと、またさらに深く学び直したなというのは、やっぱりこの赤米神事を知ってもらわなければ、まず始まらない。知ってもらえなければ、見ていただくこともできない、助けていただくこともできない。そこから発展していかないというところももちろんですね。そして今中井さんがおっしゃった、祭りを作っていくっていう、その観点っていうのは、私も実はここ最近ちょっと気づき始めて、赤米フェスタっていうあのイベントは、もしかして私達が作った新しいお祭りなんじゃないかっていうのを、今年ぐらいからなんとなくそういうふうに思っていたんですね。だから、祭りは古くなければいけないってどこかで何か自分の固定観念があったんですけど、新しく生まれていく祭りって、あるのかもしれないっていうのが、また今回昨日赤米フェスタをやらせていただいたことで、すごく自分の中にそれが体感として落ちたっていう感じがしました。それで、3人の先生方そして2市1町の市長さん、町長さんはじめ、私が繋いだというふうに、片岡さんおっしゃってくださったんですけれども、まさに私、さっき渋澤先生のお話じゃないですけど、私、種子島出身でも対馬出身でも総社出身でもないんですよ、もうまさによそ者なんですよね。このよそ者の私を、皆さんがこうやって受け止めてくださって、私も皆さんの懐の中に入れてくださった。
 これが本当に私はとてもありがたいと思っていますし、この活動は続いていくっていうのは、皆さんが私を多様性の一部として受け入れてくださったから、なんですね。なので少しでも少しでも神事というものを大事にしながら、伝統を守りながら未来に繋いでいくということを、これからもお手伝いさせていただけたらというふうに思います。本日はどうもありがとうございました。
片岡氏)
 では、サミットの結果として宣言文を採択したいと思いますので、その今回このセッションを通じて、皆に了解をいただきたい宣言文がございますので、ちょっと相川さんの方から。宣言文を持ってきていただけますか。では相川さんの方から。それですいません。
 それで皆さんご了解をいただけるようであれば、相川さんが読み上げて終わって、しばらくして、拍手をいただければと思います。
相川氏)
 赤米サミット2022in総社 サミット宣言。
「赤米神事が伝える文化と歴史を未来へ繋ぐため,三地域及び関係団体はお互いに助け合い、支えあい,共助の精神のもと,伝統文化の継承を図るとともに,自然との共生の中で守り培ってきた赤米文化を,SDGsの推進を考慮し,未来を担うこどもたちに伝えていくことをここに宣言いたします。」
片岡氏)
 ありがとうございました。今の文章は、今日の前半のセッション、今のセッションを全て網羅、包括した文、具体になっております。この宣言に沿って、これからも頑張っていきます。どうもありがとうございます。